近頃の入荷情報 『漢長安城 骨簽書法』(木耳社)

劉慶柱ほか編著 木耳社 2004年刊 

漢代に製作された骨簽の写真を多数収めた木耳社の『漢長安城 骨簽書法』を入荷いたしました。

骨簽とは漢時代に牛などの骨に文字の刻まれたものを指します。漢時代に文字を記したものというと、石碑や青銅器あるいは木簡や帛といわれる絹布が有名で、動物の骨を書写の材料にしていたのは漢時代よりさらに古い殷というイメージが強いかもしれません。ところが、前漢時代の長安城の遺跡を発掘したところ、未央宮という城跡から5万件を超える骨簽の出土があったというのです。

本書は未央宮から出土した骨簽の写真を収録した書籍です。図版ページだけでも350ページを超える分量となっております。

骨簽は長さ5〜7センチメートルと小さなものですが、本書では見開きのうち、右ページに骨簽1個の拡大写真を収録し、左ページにはその骨簽にどのように文字が書かれているのかを示した著者による模本が収録されています。小さな被写体を撮影しているので不鮮明な部分が多少見られますが、書家でもある著者が不鮮明な部分を補ってくれているのは嬉しいところです。

漢代は、それまで使用されていた篆書体が隷書体を経て楷書体へ移行する過渡期にあたっています。書家や漢字研究者には参考となる点の多い書籍でしょう。

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漢長安城 骨簽書法


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