『西嶋定生 東アジア史論集』(岩波書店)を入荷いたしました。
2002年 岩波書店
西嶋定生は日本の東洋史学者です。堀敏一、増淵龍夫らとともに戦後中国古代史研究の一役を担う学者でした。明・清の社会経済史研究から古代史へ関心を移し、中華帝国冊封体制論や東アジア世界論を唱え、また邪馬台国論争では北九州説に与しました。
『中国古代帝国の形成と構造:二十等爵制の研究』や『中国経済史研究』『中国古代の社会と経済』など中国史に関する著作のほかに『日本歴史の国際環境』『邪馬台国と倭国:古代日本と東アジア』『倭国の出現:東アジア世界のなかの日本』『古代東アジア世界と日本』など日本の古代史に関する著作も刊行されています。
西嶋の長い尺度の史観の成立に至る基礎的な論考から着実に組み立てられた本論集。以前の編著には含まれていなかった本論集初収録の論考もあり。中国史だけではなく、日本の歴史の展開を捕まえるうえでも重要な論集です。


