『末松保和朝鮮史著作集』(吉川弘文館)の入荷
1995年 吉川弘文館
末松保和は朝鮮史を専門とした日本の歴史学者です。戦前は朝鮮総督府朝鮮史編修会に修史官として勤務し、『朝鮮史』などの編纂に従事しました。戦後は帰国ののち学習院教授となり、また児玉幸多らとともに史学科の設置準備にあたる。学習院東洋文化研究所の発足でも中心的な役割を果たしました。
朝鮮古代史や古代日朝関係史の日本における朝鮮史研究の基礎を築いた人物といっても過言ではありません。学位論文『新羅史の研究』や東洋文化研究所での『李朝実録』の公刊などおおきな業績があります。
本書は代表的著作『新羅史の諸問題』をはじめ、晩年力を注いだ高句麗の研究や私家版「青丘史草」、講演、高麗や朝鮮朝(李朝)に関する論文を多数収録したものになります。
古典的な視点という評価にとどまることなく本著作集を通じて朝鮮史の世界へ分け入ることができます。