『ヴィジョンセミナー』を新入荷いたしました
C.G. ユング 著 C. ダグラス 編 氏原寛・老松克博 監訳 角野善宏ほか訳 創元社
ユングによる付言:これらのヴィジョンをめぐっての議論は、受講生がニーチェの「ツァラトゥストラかく語りき』に関するセミナーを希望したために、継続されなかった。こうした新たな関心が生じてきたのは、たぶんヨーロッパにおいて高まりつつあった政治的緊張のためである。私たちの事例をさらに追っていたら、無意識についての経験全体がそれと調和していかなければならない外界の現実に対して、患者がしだいに再順応していくプロセスを見ることになっただろう。決まりどおりに、内的イメージの世界は退き、遠くてめったに見えない場所という様相に立ち戻っていく。その世界は、噴出してくる前段階として、解決のつきそうにない諸問題からの圧力を貯め込んでいた。はじめは洪水のようだった。そして、水が引くと肥沃な堆積物が残されていて、生がしっかりと花開くことができた。以前にはありえないと思われていたことである。無意識に関するこのような経験は少なくともー精神への明確で永続的な刻印、魂の深奥に対する気づきを残す。それはけっして消えることがない。


